働き方のクアドラントを組み合わせて、副業のポートフォリオを考えてみましょう。
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働き方のクアドラントとは
「働き方のクアドラント」とは、日本では2000年11月に発売されたベストセラー「金持ち父さん、貧乏父さん」でお馴染みのロバート・キヨサキ氏が著書の中で紹介している考え方です。
このように働き方をE・S・B・Iの4タイプに分類するという考え方です。
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下記の通り、E・Sタイプは時間のリスクを負う働き方で、収入を上げるためには「時給を上げる」か「沢山働く」しかない働き方と言えます。
一方B・Iタイプの働き方は自分で労働する必要はないものの、ビジネスや投資を始めるのに、お金のリスクを負う働き方、もとい「働かせ方」と言えるでしょう。
投資の世界では「卵は一つのカゴに盛るな」と言われます。つまり分散してリスクを低減することが大事ということです。
この原則は副業にも当てはまります。副業も分散が肝要です。
「自分の働き方はどのタイプ」なのか、副業を始めるには「どのタイプを組み合わせればよいか」を強く意識することで、よりリスクが低く安定的な組み合わせ=ポートフォリオを組むことができます。
まずは各タイプはどのような働き方なのか、見ていきましょう。
Eタイプ中心のポートフォリオ
まずは分かりやすい、Eタイプを中心にしたポートフォリオを考えて見ましょう。
EタイプはEmployeeの頭文字、つまり誰かに雇われてお金を稼ぐというスタイルになります。
休日も頑張るサラリーマン
「平日はサラリーマン、休日はUber Eats配達員として頑張る人」を考えてみましょう。
サラリーマンは当然、会社に雇われて成り立つ職業です。Uber EatsもUberに配達員登録した上で、配達注文がもらえたら成り立つ職業です。
どちらも「人に雇われている」ので、Eタイプに分類されます。
確かに副業ではあるのですが、同じタイプに属する2つの職業をやっているので分散できておらずリスクが高い状態と言えるでしょう。
どちらも「他人の都合で人生が左右されてしまう」という大きなリスクを負っています。「仕事が無くなったら終わり」「会社が無くなったら終わり」「解雇されたら終わり」という状態です。
Eタイプの働き方は、これからご説明するS・B・Iタイプと組み合わせる相性はとても良いと思いますが、「Eタイプのサラリーマンのみ」「Eタイプを複数組み合わせる」というポートフォリオは、リスクが高いと考えましょう。
Eタイプのリスク
Eタイプ・Sタイプとも、時間のリスクを負います。つまり収入を上げるためには「時給を上げる」か「沢山働く」しかありません。
①時給は上がるか?
Eタイプは「他人に雇われている」働き方です。つまり自分で給料を設定することができません。
終身雇用や年功序列が保証されないであろう日本において、時給を上げ続けることは厳しいと言えるでしょう。
②沢山働けるか?
沢山働こうとしても、1日は誰にでも24時間しかありませんし、副業で働きすぎて本業のサラリーマンが疎かになっては本末転倒です。
また個人の寿命よりも企業の寿命の方が早く尽きることが分かっていますので、1つの仕事でキャリアを積んでいくことも難しいかも知れません。
今は「平日はサラリーマン、休日はUber Eatsの配達員でも問題ない」と思われているかも知れませんが、数十年後の自分に同じことをできる体力や精神力が残っているかを考える必要があります。
確かにサラリーマン教育を受けてきた日本人にとって、Eタイプの働き方は分かり易いスタイルではあります。
ですが「短期的には問題なくても、長期的な継続は厳しそう」というのが、Eタイプを中心にしたポートフォリオと言えるでしょう。
当サイトでは、安易にEタイプ・サラリーマンを辞めることをおススメしていません。他のタイプの働き方を理解して「Eタイプに組み合わせていくことが重要」だと思っています。
サラリーマンの安定感を武器にしつつ、他のタイプをどう組み合わせるかについて、見ていきましょう。
Sタイプ中心のポートフォリオ
「Eタイプだけでは厳しいのであれば、誰にも雇われずに自分で起業すれば良いじゃないか」ということで、Sタイプについて考えてみましょう。
SタイプはSelf-employedの頭文字、個人事業主やプライベートカンパニーのオーナーなど、誰かに雇わるのではなく「自分に雇われる」「自分でビジネスを興して、自分でお金を稼ぐ」というスタイルになります。
会社に依存して「いつクビになるか分からない」というリスクが無くなり、節税もできるタイプになります。
週末起業サラリーマン
Sタイプの例として、「平日はサラリーマンとして働き、休日は自分のスキルを活かしながらフリーランスとして頑張る人」を考えてみましょう。
フリーランスの内容は何でも構いません。「本業のスキルを活かして外注業務を請け負う」「YouTuberのために動画編集を代行する」「趣味のアクセサリー作りの作品をネット販売する」といった具合に、無数の職業が該当します。
Eタイプが「通勤後、朝9時から夕方18時まで勤務しなければならない」「職場や上司とのコミュニケーションが億劫」「いつ解雇されるか分からない」「定年になったら引退」というリスクを抱えるのに対して、Sタイプの自営業者は「自分が限界と思うまでは現役」「全ては自分のやり方次第」「自分でビジネスをやることで、お金の流れを知り節税ができる」という非常に大きなメリットがあります。
起業には、4つの条件が揃うと良いとされています。
- 世の中から必要とされること
- 自分が得意なこと
- 自分が楽しいこと
- お金を安定的に稼げること
世の中から必要とされること
1つ目の条件「世の中から必要とされる」というのは、人生の真理であり一番大きな必要条件です。
世の中に必要とされなければ対価は得られませんし、必要ととされることで社会との繋がりが生まれ、モチベーションを保つことができるでしょう。
「マズローの欲求五段階説」で言う、「社会や誰かの役に立ちたい」という社会的欲求、「他人から認められたい」という承認欲求です。
自分が得意で楽しいこと
2つ目と3つ目の条件である「自分が得意なこと」と「自分が楽しいこと」が重なれば、その副業は天職と言えるでしょう。平日のサラリーマンとしての労働よりも、生き生きと副業ができることでしょう。
これはマズローの5段階目である「自己実現欲求」を満たしてくれます。
「自分が得意なことを活かして、楽しみながら、他人の役に立てる。」
Eタイプのサラリーマンでは、達成困難かも知れない最高の人生と言えるでしょう。
お金を安定的に稼げること
4つ目の「お金を安定的に稼げること」の実現は、容易ではありません。
社会的欲求・承認欲求・自己実現欲求を満たせるSタイプが本当に万能ならば、誰も就職活動なんてしませんよね?大学生は卒業したら、みんな起業しますよね?
そうならないのは、なぜでしょうか?
それは、新しいビジネスは安定的にお金を稼ぐことが困難なためです。
短期的に稼げる仕事はあるかも知れませんが、長期に渡って安定的に稼げるのでしょうか?強い市場ニーズや高額な報酬は今だけではないのでしょうか?
この問いには明確な答えは無く、全てはやって見ないと分かりません。
欲求はピラミッド
説明が逆になりましたが、Sタイプで叶えられるかも知れない社会的欲求・承認欲求・自己実現欲求の下には、「生理的欲求」「安全欲求」があります。
欲求モデルはピラミッド型になっているので、下の欲求が満たされなければ上の欲求は満たされません。
「お金を稼げず、明日をも知れない」状態で、「他人の役に立てた」「やりたい仕事ができた」とは思えませんよね?
そこでおススメするのは、EタイプからSタイプへ完全に移ってしまう「起業・独立」ではなく、EタイプをやりながらSタイプをやる「週末起業」です。
平日はEタイプのサラリーマンとして安定的に働きながら生理的欲求・安全欲求を満たし、週末に時間を作ってSタイプとして起業する考え方です。
一番の大きなメリットは、「Sタイプとして失敗しても、喰いっぱぐれない」という点です。Eタイプの仕事は確かにつまらないかも知れませんが、現時点で安定感はあるでしょう。
この安定感を武器にして、先ほどの条件1~4を満たすSタイプのビジネスを探せば良いのです。
Sタイプのみでは失敗したら無一文ですが、Eタイプと一緒にやれば怖くありません。
4条件を満たすSタイプが「副業でなく複業」と呼べるようになったら、会社を辞めて独立しても良いですし、2つを掛け持ちし続けるのも良いでしょう。
黒字リストラや早期退職など、Eタイプで条件が良い退職タイミングがあったら応募する余裕も生まれてくるかも知れません。
「今すぐ会社を辞めたい」という方も、サラリーマンを続けたままでSタイプに挑戦してみるのが、心理的にも金銭的にも現実的な解と言えるでしょう。
裁量トレーダー
同じSタイプではありますが、悪い例を紹介しましょう。
当サイトは投資はおススメしていますが、いわゆる「裁量トレーダー」「専業トレーダー」はおススメしていません。
FXでは短期的に稼げてしまうと「自分はトレードで喰っていけるから、専業トレーダーになる」と思い込みがちですが、それはとても危険です。
数十年後もチャートに張り付いて、同じ精神力と集中力が保てて、さらに同じ手法が通用するということはないと思います。
裁量トレーダーは投資家ではない
裁量トレーダーにありがちな思い込みとして「俺は個人投資家である」という勘違いです。
裁量トレードの時点でパソコンに張り付いて心身を削っているわけなので、自分が働いています。
つまりIタイプではなくSタイプであると自覚する必要があります。
Sタイプのリスク
SタイプもEタイプと同様に、時間のリスクを負います。収入を上げるためには「時給を上げる」か「沢山働く」しかありません。
自分の努力がそのまま稼ぐ力に繋がっていくSタイプは、Eタイプに比べて「時給を上げる」ことは比較的簡単でしょう。
ですが1日は24時間がなく、今のSタイプの働き方が数十年後も通用するかと考えると、「Eタイプのみ」ほどでは無いにしても結構なリスクを抱えていると言えます。
Bタイプ中心のポートフォリオ
「EタイプもBタイプも自分が働かなければいけないのであれば、他人に働いてもらえば良いじゃないか」ということで、Bタイプについて考えてみましょう。
BタイプはBusiness ownerの頭文字、つまり誰かを雇ったり業務を依頼して、他人を働かせてお金を稼ぐというスタイルになります。
コンビニオーナー
卑近なBタイプの例として、日本に沢山あるコンビニエンスストアの、オーナーになって考えてみましょう。
よくコンビニ店員の名札をみると「店長」じゃなく「オーナー」と書かれている人を見かけませんか?(ちょっとレジ打ちが遅かったりします)
雇われ店長はEタイプですが、オーナーはビジネスを所有しているのでBタイプです。
店長・店員・アルバイトを雇って働かせているBタイプに加えて、人手が手薄な時期だったりトラブルが発生したときは、自らEタイプとして働くようなイメージです。
Bタイプのリスク
Eタイプ・Sタイプが「時間のリスク」を負っていたのに対し、Bタイプ・Iタイプは「お金のリスク」を負います。
コンビニであれば開店資金や人を雇うために払う給料などが、お金のリスクに該当します。
同じようにお金のリスクを負うBタイプとIタイプですが、Bタイプだけが負うリスクとして「労働力のリスク」があります。
正確にはIタイプ以外のEタイプ・Sタイプ・Bタイプが共通に負うのが「労働力のリスク」です。
Eタイプ・Sタイプの労働力は、分かりやすく自分自身です。自分が健康でいつまで働けるかがリスクになります。
Bタイプでは「働かせるための他人を、お金を稼ぐ前提で雇えるか」がリスクになります。
最近はコロナ禍で少し減っていますが、コンビニ店員として外国人の方を多く見かけませんか?
それはなぜでしょう?
いま日本に出稼ぎに来ている国は、東南アジアが多いと言われています。つまり自国が発展途上であまり稼げないので、出稼ぎに来ているのです。
日本が外国人労働者を受け入れ続けたとして、彼らは引き続き日本で働いてくれるのでしょうか?
答えは恐らく「ノー」です。
長年停滞している日本に対して、東南アジア諸国は年率5%以上でGDPが成長しています。20年後には賃金に大差が無くなると言われており、わざわざ日本に来て働く意味が無くなります。
すると少子高齢問題が解決できていない日本には、人種を問わず「そもそも労働を担う人間がいない」という事態が訪れます。
Bタイプ・ビジネスオーナーと聞くとカッコよく感じるかも知れませんが、長期的に見ると相応のリスクがあると考えられます。
Iタイプ中心のポートフォリオ
最後にIタイプについて見て見ましょう。
IタイプはInvestorの頭文字、つまりお金を働かせてお金を稼ぐ投資家です。
当サイトではサラリーマンを続けながら、副業としての投資をおススメしています。投機ではなく、投資です。
システムトレードを活用する金融リテラシの高いサラリーマン
自分は平日にEタイプ・サラリーマンとして働きながらも、休日はしっかり休んだり趣味や家族との時間を過ごす。
Iタイプとして働いてくれる、共働きの相手は「お金」です。
もちろん初期投資は必要になるのですが、自分以外にもお金に働いてもらうことで、人間一人が頑張るよりも安定的に稼いで行こうというスタイルです。
でも勘違いしないでください。投機を勧めているわけではありません。勧めているのは「投資」です。
日本人は金融教育を満足に受けていませんので、様々な仕組みを理解しながら少額で徐々にチャレンジしていくのが良いと思います。
間違っても投資経験が少ない状態で、高額を投資してはいけません。「退職金で投資デビュー」などは、目も当てられません。
ポートフォリオを加えていこう
ここまでE・S・B・Iの4つのタイプの説明をして来ました。
勘違いしないで頂きたいのは「今すぐサラリーマンを辞めて起業しましょう」とか「勉強もせずに投資を始めましょう」ということではありません。
働き方のタイプは「変えるのではなく、加えていく」ことが重要です。
例えばEタイプ・サラリーマンを続けながら、平日の朝や休日だけSタイプで腕を試す「早朝起業・週末起業」というスタイルや、少しずつ投資を勉強してIタイプを加えていくスタイルをおススメしています。
終身雇用や年功序列が崩壊しつつありますが、それでも日本社会におけるサラリーマンの安定性は非常に強い武器です。
「自分の働き方は、どのタイプか」「新しいこと始めるなら、どのタイプが良いか」を、意識して行動に繋げていきましょう。
自分のポートフォリオ
ご参考までに、自分なりに収入源をポートフォリオ化してみました。
Eタイプ
自分はサラリーマンです。典型的なEタイプの働き方です。
会社から少額ですがストックオプションや特許収入といった、自分の労働時間とは比例しない賃金をもらっています。
これは少しIタイプ寄りの収入とは言えますが、「会社を辞めたら終わり」なのでEタイプに分類しました。
Sタイプ・Bタイプ
プライベートカンパニーを持ち、EAを開発して販売しています。
EAの開発は「自分が働けなくなったら、収入が途絶えてしまう」という時間のリスクを抱えているのでSタイプです。
開発したEAは手数料を払って販売代行をお願いしています。雇っているわけではありませんが、自分が働かなくても良い「ストック収入」の形になっているので、Bタイプに分類しました。
Iタイプ
個人事業主として、サラリーマンの信用を活かしながら不動産投資をやっています。これは分かりやすくIタイプです。
また自分で開発したEAを運用したり、セルフキャッシュバックを得ています。これも「お金に働いてもらっている」のでIタイプです。
少額ですが投資信託や米国株もやっています。これもIタイプです。
Eタイプ+Iタイプから始めてみよう
「EAを作る技術なんて無いよ」「不動産投資は敷居が高い」という方、まずはサラリーマンのEタイプに、EA運用+セルフキャッシュバックのIタイプを合わせてみるのはいかがでしょうか?
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