こちらのページでも少し触れましたが、当サイトでは投資としてのFXを有効活用します。ここではロードマップの前半、「資産を一億円にする」フェーズで有効な複利FXについて触れていきましょう。
コンテンツ
投資としてのFX
FXと聞いて、皆さんはどういうイメージを持たれるでしょうか?
「ずっとパソコンに張り付いてトレードしているイメージ」「急な為替変動で大損をするイメージ」など、ギャンブルのようなイメージを持たれている方も多くいらっしゃると思います。
確かにそのようなイメージも、FXの一部です。ですが一言にFXと言っても、様々な手法が存在します。その中には投機に近いものもあれば、堅実な投資に分類されるものもあります。
ココがポイント
一般的にはFXは投機・ギャンブルというイメージが定着している。
手法を選べば、効率的で堅実な資産運用が可能。
FXとは外国為替証拠金取引、英語で書くとForeign eXchangeの略です。つまり証拠金を使ってレバレッジを効かせて外貨を取引するという手法全体を指す、非常に大きな括りの言葉です。
株式投資・不動産投資にも様々な手法が存在するのと同様に、一言でFXと言っても様々な手法が存在します。
手法の違いと仕組みを理解して、資産運用に役立つ手法を説明します。
裁量トレードはやめよう
FXと聞いてまずイメージされるのが「裁量トレード」です。これは相場が「上がるはず」「下がるはず」という予想を、人間が裁量で行ってトレードするものです。
裁量トレードはダメ
- パソコンの前に張り付いで徹夜でトレードする。
- 大きなレバレッジをかけた片張りポジションを持って、正しい判断ができなくなる。
- 相場の急変で全てを損切して資産を失う。
このように世間一般に定着してしまっているFXのイメージは、この裁量トレードというトレードスタイルが作り出していると思います。そのためFX=ギャンブルというイメージが広がっています。
裁量トレードでは相場の動きを予想しますが、100%勘に頼って取引することは少なく、何かしらの分析方法を使って予想します。
ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ分析は、政治での出来事や経済指標などをベースに相場を予想することです。
- アメリカの大統領選挙で現職大統領が再選されれば、相場は上がる。
- FOMCが政策金利を利下げすると、相場は下がる。
- アメリカと中国の貿易戦争が激化すると、相場は下がる。
このように政治経済での事象を相場に読み替えることを指します。どれも一見すると筋が通ってそうな気がしますが、この通り相場は動きません。
それは市場には「織り込み済」という考え方があるためです。
政策金利が1.0%下がるだろうと予想されていた時に0.5%の下げに留まったら相場は上がりますし、貿易戦争の激化を予め見込んで下げていた相場であれば「材料出尽くし」で上がることもあります。そのためどんなファンダメンタルズ分析を用いても、完全な予想は困難と言えます。
テクニカル分析
テクニカル分析は、ローソク足や移動平均線の動きを元にサインを見つけ、過去の相場と同じ動きをするだろうと予想することです。
- 長期移動平均線を短期移動平均線が突き破り上昇、ゴールデンクロスを形成したので、相場は上がる。
- RSIが70を超えて買われ過ぎなので、相場は下がる。
- ローソク足がボリンジャーバンドの+3σに触れたので、相場は下がる。
このように移動平均・RSI・ボリンジャーバンド・MACDなど様々なテクニカル分析の指標が考えられており、統計学的にサインを見つけ過去に特定の相場の動きから今後の相場の動きを予想する手法です。
ファンダメンタルズ分析よりは学術的な根拠がありそうですが、残念ながら万能ではありません。指標が示すサインとは逆に動くことも普通に起こります。
イメージとしては言葉と文法の関係に似ています。人類が自然と言葉を話し始めて、その後言葉を体系立ててまとめたものが文法です。対象はあくまで過去であり、未来ではありません。
過去の「このチャートの動きは、このインジケーターがサインを出しているので上がったことが説明できる」とは言えるのですが、言葉が進化して文法にない使われ方をするのと同様に、全く同じ相場も二度と来ません。
アノマリー分析
アノマリー分析は、経験則によって相場の動きを予想する手法です。
- 五十日は相場が上がる
- 一粒万倍日や天赦日は相場が上がる
- 夏は相場が下がる
- 窓は必ず埋まる
これらはファンダメンタルズ分析やテクニカル分析よりも確度が低い「相場占い」に近いものだと考えています。分析という言葉を使うのも少し憚られるくらいで、「文化の日は晴れる」と同じレベルです。
確かに晴れた日が多いのでしょうが、雨が降ったら「珍しいね」で終わりです。実績が伴わず確度が低い経験則が広まってしまうのは、心の非対称性の現れだと思います。
朝のニュースの占いで「ラッキーアイテムは傘です」と言われて傘を持って出かけ、天気予報が晴れだったにも関わらず雨が降ったとします。この時「占いが当たった!傘を持って行って正解だった!」と、当たった場合は重みづけされて強い思い出になるのに対し、外れた場合は「所詮は占いだしね」と何とも思いません。
当たった回数と外れた回数をちゃんとカウントして、実際には外れることが多かったと理解できれば良いのですが、当たったことを強く経験則として蓄積してしまい、人に広めてしまう。
人間の主観により認知が歪む現象であり、相場の予想に使う類のものではありません。確率論や統計学で説明できない事象を、「ことわざ」のような感覚で語りたいという気持ちは分からないでもないですが😅
対策①「予想するものを変える」
裁量トレードで使われる3種類の分析方法を見てきましたが、なぜ上手くいかないのでしょうか?
それは「相場が上がるか下がるかを予想しているから」です。
どの分析手法を使ったとしても、裁量トレードでは「上がると思うなら買う」「下がると思うなら売る」の二択を迫られます。どのような理論を勉強しても結果は上がるか下がるかの二択ですので50%の確率で成功または失敗します。
つまりは「コインをトスして表が出るか裏が出るか」「サイコロを振って丁か半か」を予想することと同じで、文字通り「ギャンブル」と捉えられても無理はありません。
1回勝利した後、次の勝負に勝つ確率は50%です。これを事後確率と言います。1回目に勝負する前に2回目も勝つ確率を予想することを事前確率と言います。
投資は相場に対して何回もエントリーしますので、何度も勝利する必要があるため事前確率が重要です。1回の試行の勝率を50%とすると、連勝する事前確率は下記のようになります。
試行回数 | 確率 |
一勝 | 50% |
二連勝 | 25% |
三連勝 | 12.5% |
四連勝 | 6.25% |
五連勝 | 3.125% |
0.5のべき乗計算になりますから、繰り返すたびに指数関数的に勝率が減っていくことがお分かりいただけると思います。10連勝する確率は0.5の10乗 = 約0.1%です。1000人が同じ手法に挑戦して1人しか達成できないわけです。
ココに注意
裁量トレード続けている限り、常勝は困難。
つまりどのような分析や理論を振りかざそうとも、相場の上げ下げを予想しているうちは連勝・常勝は難しいということです。
対策②「人の心を捨てる」
「なら50%以上の勝率になる手法を見出せばいいじゃないか!」と思われる方がいらっしゃるかも知れません。ですが裁量トレードには、もう1つ強敵がいます。
それは「あなた自身」です。
人間には「利益は確実に得たい」「損失はできるだけ回避したい」という心理があり、心理学ではプロスペクト理論として知られています。難しい用語を出さなくても「人間なので、それはそうだろう」と納得できる心理だと思います。
この心理がトレードの結果に深刻な悪影響を及ぼします。
仮に70%の確率で相場の上げ下げが予想できる、画期的な手法があったとします。一度のトレードの利益確定額を+5,000円、損切額を-5,000円としてトレードを100回繰り返すと、次のようになります。
- 「勝ち」が70回 = 70 × 5,000円 = 35万円の利益
- 「負け」が30回 = 30 × 5,000円 = 15万円の損失
トータルで20万円の利益になります。確率論の「大数の法則」に従い、トレードを繰り返すほど70%という確率に収束していって高確率で利益が出る素晴らしい手法です。常勝はしなくとも損は小さく利益は大きい「損小利大」というあるべき姿です。
ですが同じことを人間がやった場合、先ほどのプロスペクト理論により次のような結果になることがあります。
- 勝率70%のはずなのに負けトレードが3回も続いてしまった。4回目でやっと勝てたので5,000円まで待たず2,000円で利益を確定してしまう
- -5,000円を超えたけど勝率70%のはずだからこんなに負け越すのはおかしい。きっと相場が戻るはずと思って損切せず-10,000円まで行ってしまう
どちらも「意思が弱い人だな」「自分は違う」と思うかもしれませんが、実際にトレードをやってみると頻繁に出くわす状態です。
人間の心理状態は毎日一定ではありませんので、いくらルールを守ることを心掛けていても例外は訪れます。特にロット数が上がった場合が顕著で、-5,000円は受け入れて損切できたとしても、-50万円は受け入れられなかったりするものです。
ココに注意
安定したトレードの最大の敵は、あなた自身です。
この結果、本来投資手法が持っている勝率とは関係なく成績が悪化し「損大利小」の悪循環となってしまいます。トレーダーが人間である以上、避けては通れない問題です。
リピート系FXのススメ
相場の上下を考えるのではなく「予想するものを変えるべき」、人間が予想するのをやめ「人の心を捨てる」べきという説明をしました。それでは誰が何をすればいいのでしょうか?
まず予想する対象ですが、「相場の上げ下げ」ではなく「相場が動くレンジ」を予想します。下記のチャートは米ドル/円の2007年から2020年までの動きです。
このチャートから「1か月後にレートがいくらになっているか?」「1年後にいくらになっているか」「現在と比較して上がるか下がるか?」を予想できるでしょうか?
上がるか下がるかの予想は非常に困難だと思います。それこそ50%の確率で、どちらも有り得ます。
では長期スパンで見て「どこまで上がるか?どこまで下がるか?」は予想できないでしょうか?
このチャートを見る限り、一番円高だった最安値が75円、最高値が125円ほどです。現在は中央より少し上よりにいると考え「75円から135円の間で推移するだろう」と予想することは直感的にできると思います。相場が動くレンジの方が、上がるか下がるかよりも高確率で予想できることがお分かり頂けると思います。
相場には回帰性という性質があります。回帰性とは「元に戻りやすさ」「繰り返しやすさ」です。この回帰性を利用してキャピタルゲインを狙うのがリピート系FXと呼ばれる投資手法です。
ココがポイント
相場の回帰性を利用すると、高確率で予想が成り立つ。
リピート系FXでは、想定したレンジ内で相場が動くことを前提としてトラップを仕掛けます。例えば100円から100.5円、100.5円から101.0円、101.0円から101.5円のように50銭ずつ買いのトラップを仕掛けておくと、その値を通過する度に利益が入るという仕組みです。
このトラップを想定レンジ全体に設定し、値動きを待つという仕組みです。当然仕掛けたトラップとは逆方向に動くと含み損を抱えることになります。ですが相場には回帰性があるのでいつか戻って来て利益になるという仕組みです。
通貨ペアに注意
但しどの通貨ペアでも成立するわけでないので、注意が必要です。
世界三大通貨と呼ばれ楽天Edyの名前の由来ともなっている、Euro・Dollar・Yenは取引数量も多く、大国で利用されているため国家間のバランスが大きく崩れにくいため比較的安定しています。
従って米ドル/円・ユーロ/円・ユーロ/米ドルは一時的に相場が動くことはあっても元に戻ってくる「回帰性が強い」通貨ペアとされています。
また大国の通貨でなくても、経済状況や地政学的リスクが非常に似ているオーストラリアドル/ニュージーランドドルなど、非常に回帰性が強い通貨ペアも存在します。
ココがポイント
リピート系FXでは、回帰性が強い通貨ペア選びが重要。
逆に新興国の通貨は回帰性が低いとされています。下記はトルコリラ/円のチャートです。
新興国通貨は高金利が魅力の通貨で、スワップポイント狙いの投資で人気があります。
ですが高金利である理由は様々で、昔の日本のように高度経済成長への期待が原因の高金利であればよいのですが、国内資本が少なく自国通貨を買ってもらうための高金利にしているという場合もあります。
後者の通貨は長い目で見ると価値が徐々に下落していく傾向にあり、実際にトルコリラは図のように下落を続けています。為替は突き詰めると二国間のパワーバランスなので、どちらの通貨が世の中からより欲しがられているかという指標です。
日本という大国に対してトルコが大きく発展し、パワーバランスが崩れてトルコリラ高に転ずるという想定も無理がありそうです。
ココに注意
新興国通貨は、リピート系FXには向かない。
従って今後も横ばいか徐々に下落を続けると予想されます。このような通貨ペアは過去のレートに戻ってくることが期待できないので回帰性が低く、リピート系FXには向きません。
「売りのトラップを仕掛ければいいじゃないか」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、高金利通貨を売りポジションで持つとスワップポイントの支払いが生じます。ポジションを保有しているだけで金利を払い続けなければいけません。長期にわたるインカムゲインの損失は破壊力が大きいのでおススメできません。
システムにやってもらう
回帰性が高い通貨ペアを選び、リピート系FXをやることの優位性について説明しましたが、もう1点大事な点があります。
それは人間でなく「システムにやらせる」ということです。
いくらリピート系FXでトラップを仕掛けても「長い間含み損を抱えていたので、少しプラスになったら利益確定してしまう」という心理状態になっては意味がありません。
ココがポイント
人間が行うのはレンジの予想まで、実行はシステムに任せましょう。
具体的には各FX会社が提供している取引システムを利用したり、EA(Expert Advisor)と呼ばれる自動売買プログラムを使って自分の口座で取引させることになります。
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メリット・デメリット
まとめますと、システムを用いたリピート系FXのメリット・デメリットは次の通りです。
リピート系のメリット
- 裁量トレードとは異なり、相場の上下を予想する必要がない。
- レンジを予想するだけなので、比較的予想しやすい。
リピート系のデメリット
- トラップを仕掛けて待つスタイルなので、時間がかかる。
- 相場が動かないとトラップを踏まないので、利益を生みづらい。
- 仕組み上、必ず含み損を抱える。
単利と複利
少し話が変わりますが、単利と複利について説明します。
単利とは「最初の投資資金に対して」利益が得られることです。
年利5%の投資手法に対して100万円を投資した場合、1年後の口座残高は105万円、2年後の残高は110万円です。最初に投資した100万円の5%である5万円ずつ利益が伸びています。
複利とは「投資資金+利益に対して」利益が得られることです。
同じ手法を複利で回した場合、1年後の口座残高は同じ105万円ですが、2年後は1年目の利益を含む105万円に対して5%の利益が得られ、110万2500円となります。2年目では2,500円の差しかありませんが、時間が経つほど大きな差になります。
グラフで見れば一目瞭然ですが、単利は線形的に増加するのに対し、複利は二次関数的に増加します。
このように、単利と複利の差は時間が経つほど大きく広がっていきます。
単利 | 複利 | 差額 | |
初期資金 | 1,000,000円 | 1,000,000円 | なし |
10年後 | 1,500,000円 | 1,628,895円 | 128,895円 |
20年後 | 2,000,000円 | 2,653,298円 | 653,298円 |
30年後 | 2,500,000円 | 4,321,942円 | 1,821,942円 |
40年後 | 3,000,000円 | 7,039,989円 | 4,039,989円 |
単利では初期資金を倍の200万円にするのに20年、3倍の300万円にするのに40年かかります。複利では15年で倍の200万円、23年で300万円、40年後には700万円に達します。
ココがポイント
絶大な複利効果は、敵に回さず味方につけましょう。
複利は時間とともに味方につけると非常に頼もしい存在ですが、敵に回すと非常に恐ろしい存在でもあります。「借金が雪だるま式に増えていく」「カードでリボ払いにしてしまい、いつまで経っても支払いが終わらない」という状態です。
"Compound interest is man’s greatest invention. He who understands it, earns it. He who doesn’t pays it."
「複利は人類による最大の発明だ。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う。」
アルバート・アインシュタイン
かの有名なアインシュタインもこのように語っています。経済学者ではなく物理学者の名言として残されていることに、妙な説得力を感じます。
複利 × リピート系FX
話を元に戻します。
当サイトではリピート系FXのデメリットを補うため、複利効果を掛け合わせた投資手法を研究しています。
つまりリピート系の大きなデメリットである「トラップを仕掛けて待つスタイルなので時間がかかる」という欠点を、複利を導入することにより解消しようという試みです。
ココがポイント
複利効果が得られれば、リピート系FXのデメリットを補うことが可能。
新たに生じるデメリットとしては「レバレッジに対するリスクが減らない」ということです。
単利で100万円の軍資金で1万円分のポジションをもつ場合、資金に対してのポジションの比率は1%です。取引を100回繰り返して200万円になったとき、1万円のポジションを持っても0.5%に減っています。
複利を導入するとこの1%というポジションを保とうとしますので、200万円になったときは2万円分のポジションを持つことになり、比率は常に1%でリスクが減りません。
回帰性が高い通貨で想定レンジを広めに取るとはいえ、FXであることに変わりはなくレバレッジの仕組みを活用します。そのため想定レンジから大きく外れてしまった際の資金の失いやすさは、単利と比較して複利の方が高いと言えます。
当サイトではリスクをずっと取り続けることは推奨しません。ロードマップ前半の一億円を稼ぐことを目標にして大きく稼ぐフェーズでは複利で増やしますが、後半は単利に戻してコツコツ稼ぐように切り替えます。
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